日焼け止めスプレーは紫外線対策として有効か

現在、日焼け止めには様々な選択肢が登場しています。
日焼け止めといえば、一般的には、おそらく「塗る」ものが主要なものとして認識されているのではないかと思われます。

その、主要である「塗る」タイプの日焼け止めにおいても、ジェルタイプ、クリームタイプ、パウダータイプというように、種類を枝分かれさせながらその選択肢を広げています。

しかし、日焼け止めというのは、何も「肌に塗る」だけのものではありません。近年では、「飲む日焼け止め」というものも登場しました。このような「飲む日焼け止め」は、「体質を改善することで日焼けをしにくい身体を作る」という「食事療法」の延長にあるようなサプリとして開発されました。

「日焼けスプレー」と言われる「噴霧するタイプ」の日焼け止めも、日焼け止めの新たな選択肢として登場してしばらく経ち、その効果、有効な使い方、今後の発展などが少しずつ注目を集めています。

日焼け止めスプレーの有用性を見るためにまずは弱点に眼を向ける

日焼け止めの弱点を知っておく

私個人は、「日焼け対策」というものは、まずは、「食生活」「服装」などを律することで可能な「日焼け止めを利用しないでできる日焼け対策」を過不足なく行った上で、「塗る」タイプの日焼け止めを補足的に併用するようにして利用する、というものがベストであると考えています。

このような私の考え方で単純化していきますと、「日焼け止めスプレー」という「噴霧型の日焼け止め」は、「塗る日焼け止め」がある以上は必要がないということになりかねません。日焼けというものが、完全に理詰めですんなりと解決できるものであれば、もちろん、そうなのでしょう。

ですが、それで解決しない部分であるとか、補えきれない部分があるために「日焼けスプレー」という新たな日焼け止めの選択肢が開発されたのだ、と考えたほうがよいでしょう。そうでなければ、「日焼け止めスプレー」という日焼け止めがなぜあるのかが今ひとつわからないからです。

そのために、まずは、日焼け止めスプレーの弱点から見て、そこから「それでも、なぜ日焼け止めスプレーがあるのか」を考えていく必要があるように思います。
というのも、「日焼け止めスプレー」は、ほとんどの効果において「塗る日焼け止め」に劣っているのです。ほとんどの点において「塗る日焼け止め」に劣っているにも関わらず、なぜ日焼け止めスプレーが必要とされるのでしょうか。

早速、日焼け止めスプレーのわずかな有用性について見ていくために、日焼け止めスプレーの明らかな「弱点」を見ていきたいと思います。

日焼け止めスプレーだけでする紫外線対策は無謀

結論から言ってしまうと、日焼け止めスプレーだけで日焼けの対策をすることはできません。
前述したように、日焼けというものは、基本的に「日焼け止めを使用しない日焼け対策」という前提が整った上で、それを補助する形で「日焼け止め」を使うことによってようやく対策がとれる、というものであります。

「日焼け止めスプレーだけで日焼けの対策をすることはできない」という一文における「日焼け止めスプレーだけ」からは、二つの意味を取り出すことができるでしょう。

ひとつめの意味は、「『日焼け止めを使用しない日焼け対策』がまったくない状態で、日焼け止めスプレーだけで日焼け対策をすることはできない」というもの。
もうひとつの意味は、「『日焼け止めを使用しない日焼け対策』はした状態であっても、『塗るタイプの日焼け止め』などを一切使わずに、日焼け止めスプレーだけで日焼け対策をすることはできない」というものです。

日焼け止めスプレーだけで日焼け対策をすることができない理由は、日焼け止めスプレーの最大の弱点にあります。その、日焼け止めスプレーの最大の弱点とは、「日焼け止め効果が薄い上に、効果の持続時間がきわめて短い」ということです。

「日焼け止めとしての効果が薄く、その上、効果が持続する時間も短い」という日焼け止めスプレーの弱点に属する特徴は、長所とされる「さっと手軽に使える」という特徴以上に知られなければならないものであると思います。対策に費やす時間が短い分、対策として機能する時間も歩調を合わせるように短いのです。

この効果が薄い上で時間も短いという圧倒的に不利な条件がありながら、なぜ、塗るタイプの日焼け止めだけではなく、日焼け止めスプレーなるものが必要とされるのかを考えていかなければなりません。「持続時間の短さ」を補ってあまりあるような有用性が、日焼け止めスプレーに果たしてあるのか、どうか。

もちろん、持続時間の短さ、効果の薄さ以外においても、日焼け止めスプレーが塗る日焼け止めを上回る要素を見出すことはなかなかできません。利点は、辛うじて「手軽さ」が見いだせるくらいでしょうか。
日焼け止めスプレーには「耐水性」もありませんが、「耐水性」についてはスプレーに限らず、日焼け止め特有の、根本的な別の問題がありますので、後述します。

さて、それでも、この「時間」「効果」に見放された日焼け止めスプレーが完全に役立たずであり、まったくの不要であるのか、というと、そうとは言い切れないだろう、というのが私の考えです。

「日焼け止めスプレーだけで日焼け止めをする」と考えなければ、日焼け止めスプレーは、「使い方次第」である程度は役に立つことがある日焼け止めであることは確かであるからです。

日焼け止めスプレーの役に立つ使い方を模索してみる

日焼け止めスプレーの使い方

効果が薄く、その持続時間が短く、耐水性もない、というような、日焼け止め三重苦を背負っているとさえ言いたくなるような日焼け止めスプレーが、役に立つ場面、役に立つ使い方とは何なのでしょうか。

日焼け止めスプレーを役に立つ日焼け止めにするためには、「弱点」とされるそれぞれの要素を、逆に「強み」として転換させるような「使い方」を発見する必要があります。

たとえば、「効果が薄く、その持続時間が短く、耐水性もない」という三つの弱点は、「ちょっとした外出」や、ベランダやサンルームにおける「洗濯」という場面においては、「すぐに落とせる、落ちるころには室内にいる」という「強み」に変わりうる可能性を持っているかもしれません。

とくに「洗濯物を干す」というようなときに、わざわざ塗るタイプの日焼け止めを全身に塗りたくり、日焼けをしないように肌の露出をおさえて完全防備をする、というのは、馬鹿らしいですし、時間の無駄です。

こういうときに、さっと吹きかけるだけで皮膚の表面に日焼け止めを施すことができて、わずかな時間でその効果を消滅させていく日焼け止めスプレーというのは、なかなか重宝するといえるでしょう。

他にはどのような使い方が考えられるでしょうか。

塗るタイプの日焼け止めですと、二~三時間に一回程度の頻度で塗り直すくらいがちょうどよいと言われています。
男性の場合はあまり関係ないかも知れませんが、女性の場合は、日焼け止めと化粧というものがセットで皮膚の上に施されます。基本的には、日焼け止めを先に塗ってから化粧の下地を塗る、というのが日焼け止めと化粧をそれぞれ効果的にするための「一応のセオリー」とされています。

ですから、「日焼け止めを塗り直す」にあたって、もし「日焼け止めの効果をより徹底したい」のであれば、日焼け止めを塗り直すタイミングがくるたびに一度化粧を落とし、あらためてすっぴんの肌にしたうえで、日焼け止めを塗る必要があります。

このような厳密さで日焼け止めを塗り直している女性というのはほとんどいないと思われますが、「塗り直し」におけるこのような面倒臭さを避けるためには、「手軽」に皮膚の表面に日焼け止めの効果をわずかな時間であれ与えることができる日焼け止めスプレーは、確かにかなり役に立つものであるといえるでしょう。
日焼けしやすい時間帯というのは、季節によっても違ってきますが、だいたい、午前十時から午後三時ぐらいまでの間の五時間ほどです。この日照時間の苛烈な五時間、ずっと外にいて太陽の光にたえず晒されている、という人もいるかもしれませんが、それほど多くはないでしょう。

日傘をさし、肌の露出をおさえた上で、日照時間の五時間のうち二時間程度の外出でとどめれば「日焼け止めの塗り直し」は不要です。ですが、そのわずかな外出の際に「ダメ押し」として日焼け止めスプレーをシュッと一吹きするというような「補足的」な使い方をすれば、日焼け止めスプレーは、日焼け対策の最後の一手として充分に機能するようにも思われます。

日焼け止めスプレーは顔用と身体用で使い方が違う

「補足的」「有用性のある使い方」として、「化粧の上から日焼け止めスプレーを使用する」というものを提示したのですが、ここで、一つ注意しなければならないことがあります。

これまで日焼け止めスプレーに対して使ってきた「有用な使い方」という意味における「使い方」との微妙な違いにもなってくるのですが、日焼け止めスプレーを使用するにあたっては、「日焼け止めスプレーの有用性のある使い方」をする前に「日焼け止めスプレーの正しい使い方」を踏まえておく必要があります。
日焼け止めスプレーには、大きく分けて「身体用」「顔用」の二種類のスプレーがあります。この種類の把握と分別ができておらず、「正しい使い方」をしなかった場合、「有用性のある使い方」どころか、使用者の肌に「惨事」を引き起こす可能性があるため、充分に気をつけなければなりません。

もし、所有している日焼け止めスプレーが「身体用」だった場合、その日焼け止めスプレーを「顔面に向けて直接噴射する」というような「使い方」は避けてください。

「身体用」の日焼け止めスプレーは、「顔用」の日焼け止めスプレーにくらべてその噴射力や刺激などが強く、近距離であった場合は「凍傷」になったりだとか、眼や鼻などに入ったときのダメージが、「顔用」のときのそれとは比較にならないほど尋常ではないものになります。
「身体用」の日焼け止めスプレーで「化粧の上から日焼け止めを使用する」場合、日焼け止めスプレーから噴射したものを、一度、手の上に広げて、充分に押し広げた上で顔の上にまんべんなく塗っていく、というプロセスが必要になります。

そう、「まんべんなく塗る」のが「正しい使い方」なのです。「噴霧型」の日焼け止めを手の上で一度広げてから「塗り直す」のであれば、じゃあ、はじめから「塗る日焼け止め」でいいのではないか、という疑問が出てくるのは、当然のことです。私もそう思います。

「化粧の上から日焼け止めスプレーを使用する」というような「有用性のある使い方」を、「噴射」することでできるのは「顔用の日焼け止めスプレー」のときに限る、ということになります。つまり、「身体用の日焼け止めスプレー」は、「化粧の上から日焼け止めスプレーを使用する」という利点を一つ失うことになります。

では、「顔用の日焼け止めスプレー」を顔に噴射するという使い方にまったく問題がないか、というと、これもそうではありません。
日焼け止めスプレーに共通する弱点として、「ムラ」が出るというものがあります。「顔用の日焼け止めスプレー」は、刺激をおさえることで顔に直接噴射することを一応可能にしておりますが、凹凸が多い顔面の上にスプレーを噴射した場合、日焼け止めがなされていない箇所などが出てくる傾向があります。

「顔用の日焼け止めスプレー」は顔に直接噴射することが可能ではあっても、塗りムラが出やすく、最終的には「手で広げましょう」という使い方が推奨されることになります。

結局のところ、効果も薄くムラも多い「顔に直接かけられる顔用の日焼け止めスプレー」を使うよりは、「身体用の日焼け止めスプレーを手のひらの上で広げてから塗る」ほうがよいのですし、だったら「塗る日焼け止め」で丁寧に塗り直したほうがいい、という地点に落ち着くことになるのが日焼け止めスプレーの現状ではないでしょうか。

髪の毛と頭皮の大敵「紫外線」と日焼け止めスプレーの熾烈な戦い

日焼け止めスプレーと紫外線の戦い

人々の紫外線に対する過剰な恐怖がこうじた結果、近年は「髪の毛の日焼け」というものがますます懸念される傾向が強まってきました。
髪の毛というのは実は肌以上に紫外線の被害を受けやすく、その影響はなんと肌の五倍にもなるのだ、というようなことが、数値、専門用語、データなどを提示されながら、日々、声高に喧伝されております。

このような言説を眼にするたびに、自分などは「人間の髪の毛も植物のように光合成で日光を浴びてすくすく健康的に育つ質感だったらよかったのにね」ということを思わされるのですが、いまのところ「太陽光は髪の毛の味方!」というような言説を眼にすることはあまりなく、「紫外線は髪の毛の大敵!」が優勢です。

どうやらそうである以上、髪の毛の大敵としての紫外線を無視することはできそうにありません。紫外線が、それを浴びた髪の毛にどのような悪影響を与えるかについては、以下のようなことが代表的なものとして挙げられています。

真偽はさておき、これがすべて本当のことだとしたらまったく恐ろしいことです。そして、ある程度は本当であるのだろうと思われます。となると、髪の毛にとって、紫外線以上の大敵はないということになるでしょう。人々は、髪の毛の健康を守るために、紫外線の侵攻を可能な限り食い止めていかなければなりません。
そんなとき、紫外線対策の日焼け止めシーンに颯爽と登場したのが「日焼け止めスプレー」にほかなりません。

紫外線の攻撃にさらされるままだった髪の毛にさっと散布するだけで、紫外線から髪の毛を守ってくれる神秘のヴェールをまとってくれる。そのようなものとして、「日焼け止めスプレー」が人々の前に、まるで救世主のようについにあらわれたのです。

髪の毛に使用するときは日焼け止めスプレーのパッチテストが必須

髪の毛に関する様々なトラブル、ダメージ、老化現象などに対しては、シャンプー、整髪剤、洗髪剤、パーマ剤、ヘアアイロン、自然現象(潮風、黄砂など)、食生活の乱れ、蓄積したストレス、そして、これから言及することになる日焼け止めスプレーの成分なども含めた、他にも無数に考えうるあらゆる要素が複雑に絡み合って加担しているのではないか、という疑問が当然あるのですが、そういったことは無視して、ひとまずは「紫外線」だけが髪の毛の敵です。

髪の毛に関するあらゆる不幸の原因、当面の諸悪の根源は「紫外線」なのですから、まずは「紫外線」を防がなければどうにもなりません。
こんなことを書いているいまも、精神的な健康を考えて日当たりや風通しの良さなどを重視して選んだ物件のなかでテキストを書いている私の髪の毛は、ぬくぬくと日光浴をしながら、たえず「紫外線」を浴びつづけているということになるでしょう。

いまは暖かくてとても気持ちいい状態ですが、「大変だ!紫外線によって私のメラニンが分解され、システイン結合が破壊され、キューティクルが片っ端から剥がされ、毛根細胞がダメージを受け、枝毛、切れ毛、抜け毛、脱色、変色といったあらゆる症状があらわれている!ぱっさぱさでちりちりでぼろぼろできしきしの栄養失調水分不足の髪の毛のライフポイントはもはやゼロ!太陽さま紫外線さま、どうか、私の残り少ない髪の毛を虐めるのはもうやめていただけないでしょうか!」というような悲痛な叫び、嘆願の声が飛び出すのも、おそらく、時間の問題だと思います。

しかし、私がこのように気持ちよく日光浴を続けながらのんきな記述を続けていられるのは、もちろん、「日焼け止めスプレー」をさっと一吹き、髪の毛に噴射して、紫外線対策を施しているからにほかなりません。

「塗る日焼け止め」にはその日焼け止めとしての能力が全面的に劣るけれども、こと「髪の毛」「頭皮」への日焼け対策においては「塗る日焼け止め」よりも遥かに有効に機能するとされている日焼け止めスプレーを「守護神」のように傍らにおき、そのありがたい御利益を髪の毛一面にまんべんなく散布し、頭皮全体にまで広げておけば、「日光浴をしながらのうたた寝」という、寝ている間に髪の毛が大量のダメージを受けるであろう致命的な蛮行も、おそらくは可能になります。人類の髪の毛は、ついに「紫外線」に全面的に勝利したのです。

ところが、うたた寝から目覚めて驚きました。なんと、日焼け止めスプレーによって日焼け対策を施していたはずの髪の毛や頭皮に「異常」が生じていたのです。というのも、「髪質」「日焼け止めスプレー」の相性がとても悪かったんですね。最強の守護神かと思っていたら、実は、とんでもない強敵だった、というわけです。世の中、なかなかそううまくはいかないものです。

というわけで、日焼け止めスプレーを髪の毛や頭皮の日焼け対策として使用する場合は、必ず「パッチテスト」を行うことを忘れないようにしましょう。髪の毛の先端部分に日焼け止めスプレーを噴射してみて、二日ほど様子を見て、何も異常がでないかどうかを確認した上で、日焼け止めスプレーを髪全体および頭皮に使うことをオススメします。

パッチテストでOKだったからといって安心するのも考えものです。日焼け止めスプレーを使っていて髪の毛や頭皮などに異常が発生した場合は、即座に使用をやめるべきです。
日焼け止めスプレーの利用後に出た異常に関しては、「この異常の原因は日焼け止めスプレーではなくて、きっと紫外線だろう」などと考えないほうがよいでしょう。

紫外線を絶対悪と考える風潮が強まっていますが、日焼け止めがときに紫外線以上の敵になりうるということは、日焼け止めを理由するにあたって絶対に忘れてはいけないことです。これは、日焼け止めスプレーを利用する際も例外ではありません。

日焼け止めスプレーは髪の毛に対して補助的な役割しか果たさない

髪の毛には日焼け止めスプレーでは不十分

やや意地悪な書き方をしてしまいましたが、私が「髪の毛」「頭皮」の日焼け対策として「日焼け止めスプレー」を使うことにこのような態度をとったのは、何も理由がないわけではありません。
まず、「日焼け止めスプレーだけで日焼け対策をすることができない」という日焼け止めスプレーの根本的な問題を無視して、「『髪の毛』や『頭皮』の日焼け対策は日焼け止めスプレーだけでよい」と考えるのは手落ちなのではないか、という疑問があります。

そもそも「肌の五倍」も紫外線の影響を受けると言われている「髪の毛」の日焼け対策を、果たして、「塗る日焼け止め」などに比べて日焼け止め効果、持続時間、耐水性などが全面的に劣っていると言わざるを得ない「日焼け止めスプレー」だけでまかなえるものなのでしょうか。
もちろん、「効果がまったくない」などと言いたいのではありません。「日焼け止めスプレー」によって、「髪の毛」「頭皮」の日焼けが阻止される、ということも、多少はあるだろう、と私は考えています。

肌の日焼け対策と同様、「髪の毛」「頭皮」の日焼け対策に関しても、「日焼け止めスプレー」というものは、「ダメ押しの最後の一手」程度のものとして併用するくらいがちょうどいいのではないか、と思います。
「髪の毛」「頭皮」の日焼け対策においては、「肌」のときと変わらず、まず何よりも、帽子をかぶったり日傘をさしたりするなどの「日焼け止めを使わないでできる日焼け対策」をしっかりと行うことが求められるでしょう。

また、「日焼け対策」を開始する前に、「髪の毛」「頭皮」それ自体の健康を確保することも重要でしょう。すでにダメージを受けて髪の毛や頭皮が衰えている場合、衰えた原因がなんであれ、そこに「日焼け止め」などの表面的な対策を施したところで焼け石に水です。小手先の対策以上に、まずは、自分の「髪の毛」「頭皮」を根本的に「回復」させる方向で動くに越したことはありません。

髪の毛や頭皮の劣化の原因が何であるかを完全に特定することはおそらくできません。また、その原因は一つではなく、複数の原因が絡み合った結果である場合のほうが多いでしょう。その「複数の原因」のなかに「日焼け止めスプレー」の使用が混じっていることもあれば、まったくの無関係である場合もあるでしょう。
ある人にとっては「日焼けの対策」として、髪の毛や頭皮の健康を保つ方向に動くことが、ある人にとっては、髪の毛や頭皮にダメージを与える方向に作用してしまう、ということも大いにあるのではないかと思います。

髪の毛のダメージの原因を紫外線だけに押し付けない

髪の毛や頭皮を日焼けから守るためにとりあえず日焼け止めスプレー、というのもいいかもしれませんが、まず重要なのは、個人差がある髪の毛や頭皮の特性を、自分に可能な限り把握していくことではないでしょうか。
髪の毛や劣化の原因を完全に特定し、一つに絞ることは難しいですが、複雑に絡み合った諸原因を丁寧に解きほぐしながら、一つ一つの原因を検証していくことは可能です。

髪の毛や頭皮のダメージを、なんとなく「紫外線」だけに押し付けてしまい、それ以外の原因を考えないというのは、複雑にこんがらがったコードを解きほぐそうという努力もないままに「なんとなく」の推察で原因を定めてしまい、その一つの原因からのみ導き出された一つの方向性に向かって絡まったコードを無理やり引っこ抜いて絡まりを解こうとするような無謀に似ています。

時間をかけて自分の髪の毛や頭皮と向き合い、丹念に解きほぐしていくなかで、「ああ、ここのダメージは『紫外線』なんだろうな」というポイントが見えてきたら、そこに日焼け止めスプレーを散布するというように、対処の「勘所」が見えてくるはずです。
このような「勘所」を見つけ出すためには、まず、自分の髪の毛や頭皮を、ある程度、納得がいくところまで「回復」させて健康にした上で、その健康な髪の毛や頭皮がどういうことでダメージを受け、衰えていくのかを慎重に観察するとよいでしょう。

「紫外線」「キューティクル」をはがすというのは確かです。ですが、何も「キューティクル」をダメにするのは紫外線ばかりではありません。ブラッシング、ドライヤー、パーマやカラーリングなどによってもキューティクルは剥がれます。そのような繊細なキューティクルが、日焼け止めスプレーの成分で剥がれないかどうかをまったく検証しないというのは、問題があると思います。
システイン結合の切断についても同様のことが言えるでしょう。もちろん、システイン結合に対する紫外線の影響を無視しろと言いたいわけではありませんが、枝毛や切れ毛の原因は紫外線だけではないはずです。

メラニン色素の現象による白髪などの問題に関しては、頭皮の奥にある毛根の毛母細胞のメラノサイトの働きが低下し、メラニン色素がつくられなくなることが原因で起こるとされています。ですが、「“白髪の原因”の原因」であるところの「毛母細胞の“メラノサイトの働きの低下”の原因」についてはいまだに解明されつくされてはいないというのが現状です。

肌の日焼けについて調べていたとき、「紫外線」「メラニンを生成する」ために、日焼けになり、肌の上にシミなどを作る、というようなことが書かれていました。一方で、「毛母細胞」「髪の毛」に関しては「メラニンが分解されるので白髪になる」というようなことがさも当然であるかのように書かれています。正直、混乱します。私は専門家ではありませんが、これは明らかな矛盾であると言わざるをえません。

日焼け、日焼け止めにまつわるテキストには、様々なデータや専門用語、一見科学的な根拠などが提示されますが、このような矛盾を前にしますと、それらが本当に信じて良いものであるかどうかが疑われます。「髪の毛」「頭皮」の日焼け、および、日焼け止めスプレーに関する文章は、この「疑わしい根拠」の根城といってもいいと思います。

身も蓋もない話に聞こえるかもしれませんが、「ある種の人々の髪の毛のダメージの原因が紫外線」であるということは「ありえる」し、それらの対策として「日焼け止めスプレーが有効である」ということも「ありえる」のですが、それはすべての人に適応されることでもないし、科学的根拠などを提示されたところで「身体があわなければどうしようもない」というのが私の結論です。

日焼け止めスプレーを使う前に、まずは、一見すると科学的な根拠で担保されているような「対策」などをしっかりと疑った上で、自分の体質にあった髪の毛と頭皮のケアを模索するところからはじめましょう。

日焼け止めのケミカルとノンケミカルをわける唯一のポイント

ケミカルとノンケミカルを分けるポイント

日焼け止めスプレーに限った話ではなく、これは日焼け止め全般の話になるのですが、日焼け止めは、大きく「ケミカル」「ノンケミカル」の二種類にわけることができます。
「ケミカル」「ノンケミカル」などと書きますと、明らかに「ノンケミカル」の日焼け止めのほうが肌に優しく、「ケミカル」の日焼け止めは肌に対する刺激が強いのだ、というような安直なイメージを抱くことになるかもしれません。

しかし、すべての人の肌に優しく、肌荒れなどが絶対に起こらず、身体にまったくダメージを与えない安全な日焼け止めなどは、この世に存在しません。
「ノンケミカル」という言葉を見て、「肌に悪い成分」がまったく含まれていないのだ、などと疑いもなく考える人もいます。
「ノンケミカル」という言葉は、そのような勘違いを誘発する力を持っているので、そのような思い込みを持つのは仕方ないことであるともいえなくもありません。

「ケミカル」といわれる日焼け止めを利用していても「身体」との相性がよく、肌の上に何事の問題も起こさず日焼け対策ができる人もいます。
その一方で、「ノンケミカル」の日焼け止めを使っているにも関わらず、「身体」との相性が悪く、肌に炎症を起こしたりダメージを受けてしまうというような人もいます。

「ノンケミカル」の日焼け止めを使っていれば安心だ、というような全面的な思い込みは、化学物質をむやみに恐れるあまりに無添加やオーガニックなどの「身体に良さそうな言葉」に踊らされて、自分の身体の声を無視しかねないという点で、少しばかり危険な態度であるといえるでしょう。
そもそもの話、日焼け止めに対して用いられている「ノンケミカル」という言葉は、言葉それ自体に大きな問題と隠蔽があると言わざるを得ず、「ノンケミカル」という言葉の使用を極力控えるべきなのではないか、という考えを私は持っています。

「ノンケミカル」という言葉の問題を見ていくにあたって、まずは「ケミカル」「ノンケミカル」という日焼け止めが、それぞれどのような日焼け止めであるのか、という簡単な把握が必要となるでしょう。
「ケミカル」の日焼け止めは「紫外線吸収剤」が入っている日焼け止め全般を指します。「ノンケミカル」の日焼け止めは、「紫外線吸収剤無配合」の日焼け止めのことであり、「紫外線吸収剤」のかわりに「紫外線散乱剤」が用いられています。

つまり、「ケミカル」「ノンケミカル」の違いは、「紫外線吸収剤の有無」、単にこれだけのことに過ぎません。

ノンケミカルという言葉は使うべきではない

「紫外線吸収剤」が使われていなければそれはすべて「ノンケミカル」の日焼け止めである、と言えてしまう。この「ノンケミカル」というあやうい言葉の流通が、どのように狡猾であるかについて、少しばかり見ていく必要があるかもしれません。
以下に書くことは、あくまで仮定です。このように極端に悪辣な「ノンケミカル」の日焼け止めが実在するのだということではなく、「『ノンケミカル』という言葉のもとでは、このような日焼け止めも『ノンケミカル』といえてしまう」という架空の日焼け止めを巡る「思考実験」のようなものとして捉えていただきたいと思います。

日焼け止めにおける「ノンケミカル」は、「紫外線吸収剤不使用」という条件を満たせば成立する言葉ですから、「紫外線吸収剤以外」のあらゆる「化学物質」を取り入れることが可能です。
ですから、「肌に悪い」とされている「エタノール」「防腐剤」「界面活性剤」、美白効果があるが肌への刺激が強烈であると言われる「ハイドロキノン」「ビタミンC誘導体」といわれるような成分をふんだんに用いた日焼け止めであっても、そこに「紫外線吸収剤」が使われていなければ「ノンケミカル」という名のもとに商品を売ることができてしまいます。

ありえない話ではありますが、たとえば、プチルパラペン、プロピルパラベン、エチルパラベン、メチルパラペン、フェキシタノールといったあらゆる科学的な「防腐剤」を無闇矢鱈にめちゃくちゃに混ぜ込んだとしても、香料、保湿剤などを「うそっ!」という声が思わず出るくらいにふんだんに使っていても、「紫外線吸収剤が使われていない」という一点だけでその日焼け止めを「ノンケミカル」と言い張ることができてしまいます。化学物質まみれであるにも関わらず、です。

これはもちろん冗談として受け取って欲しいと思いますが、「ダイオキシン類」などの明らかに人体に悪い毒性物質を意図的に混入させたとしても、「紫外線吸収剤」が入っていないという一点において、その日焼け止めは「ノンケミカル」の日焼け止めに分類することができてしまうでしょう。言葉の定義上では、そういうことになっているからです。

日焼け止めにまつわる「ノンケミカル」という言葉に問題があり、その使用を控えるべきなのではないか、と私が考えているのは、言葉の定義のあまりの身勝手さにより、このような「なんでも入れてしまえる」という卑怯さが隠された上で、「肌にいいもの」「化学物質が使われていないもの」というイメージが流通しているからにほかなりません。

「日焼け止めスプレーは、できれば『ノンケミカル』で」と考えている人も、もしかしたら多いかもしれません。
しかし、その「ノンケミカルの日焼け止めスプレー」は、単に「紫外線吸収剤」が使われていない、というだけでしかありません。
もしかすると、「ノンケミカルの日焼け止めスプレー」が、肌にとって決して好ましいとはいえない有害な成分のるつぼである可能性もあります。

その場合、日焼けの効果ものぞめず、単に肌に悪いだけの霧を延々とふきかけている、ということになるでしょう。
日焼け止めスプレーに限らず、日焼け止めを選ぶにあたっては、まずは、「ケミカル」「ノンケミカル」の二項対立の思考をやめるところから始めることをオススメしたいと思います。

ウォータープルーフの日焼け止めスプレーにまつわる前提

ウォータープルーフと各種水分の特徴の話

喉が乾いたときに飲む「水」、とても美味しいですよね。水分補給のために「水」を飲んでいると、人は「水」とともにしか生きられないのだという当たり前のことを誰もがみな感謝とともに実感することになるのではないかと思います。
喉が乾いたときに「海水」は飲めるでしょうか?言うまでもなく、しょっぱくて、とても飲めやしませんよね。「海水」だけを飲み続けたら喉は渇き続ける一方ですし、そもそも、「海水」だけを飲んでいたら最悪の場合は死に至ることさえもあります。

では、「プールの水」はどうでしょうか。気持ちよく泳いでちょっと喉が乾いたからといって、その「プールの水」をごくごくと飲んでしまうような猛者はほとんどいないでしょう。プールで喉が乾いたら、不特定多数の人の身体がつかっている「塩素水」などではなく、なるべく「水」を飲みたいところです。当たり前の話です。

「汗」は舐めますか?あなたがおかっぱ頭のスタンド使いで、相手の汗を舐めることで相手が「嘘」をついているかどうかを見抜くことができるというような特異な能力の持ち主であれば、「汗を舐める」ということも頻繁にあるのかもしれません。ですが、ほとんどの人は自らすすんで「汗」を舐めたりしません。ましてや「汗」を舐めることで「水分補給ができる」なんて考えている人は、まずいないのではないかと思います。

さて、日焼け止めスプレーについての記事で、どうしてこんな話をしはじめたのか、と訝しい気持ちにとらわれはじめる人もそろそろ現れるかもしれませんから、迂回はほどほどにして、「種明かし」をするとしましょう。
私がこのような一見日焼け止めとは無関係と思われるような話をしているのは、日焼け止めスプレーにおける「耐水性」の問題、および、「ウォータープルーフ」の日焼け止めスプレーの効果について考えていくという目的があるからに他なりません。

「耐水性」に優れていることから「落ちにくい」ということになっている「ウォータープルーフ」の日焼け止めを使う場面は、おそらく、「海」「プール」「汗を大量にかく夏場の野外」などの環境が、その主要なものとして想定されているのではないかと思います。
「水」「海水」「塩素水」「汗」といった四つの「液体」は、「液体」として根本的に性質が違うものです。このことを大前提として踏まえておかない限り、「耐水性」の問題も、「ウォータープルーフ」の効果も、おそらくは捉え損なうことになるのではないか、と私は考えています。

その明らかな「液体としての違い」を提示するために、まずは「飲む」という観点から、それぞれの「液体」の違いを見てみた、というわけです。

日焼け止めスプレーにおける「耐水性」はあってないような無意味なもの

さて、ここでようやく本題に突入することになります。その本題は、以下のような「問い」から始められることになるでしょう。
それは、日焼け止めにおける「耐水性」というものは、果たして、「水」「海水」「塩素水」「汗」の四種類のそれぞれに質感が違う「液体」のすべてに効果があるものなのか、どうか、という「問い」です。

この「問い」に関する「答え」は、私の中ではすでに出ています。その「答え」は、「耐水性」が強い「ウォータープルーフ」の日焼け止め、および日焼け止めスプレーは、「水」以外の液体に対しては、その効果を充分に発揮することができないというものです。
日焼け止めにおける「耐水性」の問題は、この「耐水性」という言葉それ自体にすべてが含まれていると私は考えています。

というのも、「耐水性」というのは、あくまで「水」に対する耐久の性質でしかなく、それは厳密には、「耐海水性」でも「耐塩素水性」でも「耐汗性」でもないのです。「耐水性」は、「液体としての微細な違い」に完璧に対応しているわけではないのです。
「海」「プール」「汗」のなかでは、おそらくは「プール」がもっともわかりやすいと思われるので、例として、「日焼け止め」「塩素水」の関係を見ていくことにしましょう。

一言で片付けてしまうと、「塩素水」「日焼け止め」「天敵」です。それが「ウォータープルーフ」の日焼け止めであろうと、いくら「耐水性」が強かろうと、「塩素水」の前では「日焼け止め」はほぼ確実に落ちます。「塩素水」は、日焼け止めのコーティング成分を分解する作用を持っているのです。
「ウォータープルーフ」の日焼け止めの「耐水性」が仮に「100」だったとしても、それは「水」に対する「100」でしかありません。ですから、「ウォータープルーフ」の日焼け止めの「耐塩素水性」はゼロであるか、分解後、皮膚にとって有害な成分が生成されることを考えると、むしろ「マイナスである」と考えたほうがいいかもしれません。

「塩素水」ほど極端ではないにせよ、「海水」「汗」といった、「『水』とは違う液体」に対する耐性も、この「塩素水」の延長と考えたほうがよいでしょう。
「『海水』、『塩素水』、『汗』などの、『水』以外の『液体』は飲むことができない」ということは前述したとおりですが、これと同様に、ウォータープルーフの日焼け止めは「『水』以外の液体」に弱い、あるいは、あまり効果がない、と言い換えることができるのではないかと思います。

ウォータープルーフの日焼け止めに関しては、「天然水」を頭から大量に浴びるようなときにおいてのみ、その優れた「耐水性」で水を弾き、日焼け止めが落ちるのを防いでくれて、大いに役に立つことになるだろうとは思いますが、そのような状況に備えて日焼け止めを塗る人はほとんどいないはずです。
日焼け止めスプレーに関しては、数多くの弱点のうちの一つとして、「耐水性」がないことが挙げられますが、日焼け止めの「耐水性」「水」にしか効かないことを考えると、それは、弱点以前の問題といえるでしょう。

日焼け止めにとっては弱点以前の要素でしかない「耐水性」を強めた「ウォータープルーフ」「日焼け止めスプレー」について考えるのは野暮の骨頂と言わざるをえません。

赤ちゃんにやむなく日焼け止めを使い始めるタイミング

赤ちゃんに日焼け止めを使う場合

日焼け止めスプレーに限った話ではなく、基本的に、肌が強いとはいえない生後間もない赤ちゃんに対して日焼け止め全般を使用することはあまりオススメできません。
「日焼けによる刺激」と同じか、人によってはそれ以上であるとも言われる「日焼け止め利用による肌への刺激」のことを考えますと、正直なところ、赤ちゃんに対する日焼け止めは「不要」であると考えたほうがよいでしょう。

ベビーカーで日除けをする。紫外線の強い日中の外出を控える。長袖、長ズボン、帽子を着用させる。抱っこするときは日傘を使う。このような、「日焼け止めを使わない日焼け対策」だけをしっかりと施しておけば、自らの足で自由自在に歩き始める前の赤ちゃんの日焼け対策は十分です。
赤ちゃんの日焼け対策として「日焼け止め」を利用するかどうかは、「赤ちゃんが自分の足で歩き始める時期」と、「赤ちゃんが自分の欲望のままにわがままになってくる時期」ぐらいから考え始めるのがよいのではないかと思います。

赤ちゃんが「自分の欲望のままにわがままになってくる時期」が、なぜ、日焼け止めの利用を考えるタイミングになるかというと、この時期は、赤ちゃんが、長袖、長ズボン、帽子といった「日焼け対策のための暑苦しい格好や、外出制限」などに対する「不快感」「抵抗」を意思表示しはじめる時期であるからです。

赤ちゃんが、親のやることに従順でまったく逆らわないタイプの赤ちゃんではなく、自分の欲望や意思を貫きわがままを押し通す傾向が強いタイプの赤ちゃんであった場合、親が「肌が露出されている面積を可能な限り減らす」ために施した「厚着」を、赤ちゃんが自ら脱ぎ捨ててしまう、というようなこともあるでしょう。
また、ある程度、自由自在に歩くことができるようになった赤ちゃんのなかには、「ベビーカー」に揺られているだけの自分では満足できず、ベビーカーから飛び出して、獲得したばかりの能力であるところの「歩行」で世界を周遊したいと望み、ベビーカーから飛び出したいという欲望が芽生えるタイプもいます。

このような活動的な赤ちゃんですと、「紫外線が強い日中の外出」を親がいくら禁じたところで、赤ちゃんが「外に出たい」と考えていた場合、赤ちゃんの希望を汲んで、紫外線が強い日中の外へと赤ちゃんを連れ出すことを避けられません。
ここで親が鉄の意志で「外出を禁止」して、「厚着をさせる」ことを貫くことももちろん可能であるとは思うのですが、自分の産まれ落ちた世界の光景が歩行とともに開かれつつある赤ちゃんをあまり親の都合で抑圧しすぎるのも考えものです。

となると、いよいよ、赤ちゃんに対する日焼け止めの利用は不可避ということになるでしょう。

日焼け止めスプレーは赤ちゃんにはあまり推奨できない

さて、「成長」というありがたくもやむを得ない事情によって、赤ちゃんに日焼け止めを使う、と決めたら、次は「どの日焼け止めを使うべきか」という悩みが生まれてくることになるのではないかと思います。
市販されている日焼け止めは、ジェルタイプ、クリームタイプ、パウダータイプ、スプレータイプなどの形態の違いはもちろんのこと、ケミカル、ノンケミカル、SPFやPAといった成分の違いなどが、細かく入り乱れ、組み合わさっています。

これらの細かい違いのキメラ的集積である日焼け止めは、利用する人の肌質との相性、使用する場面などで、選択するべきかどうかが違ってしまいます。日焼け止めのもどかしい点は「これを使っておけば間違いない」というような日焼け止めがない、ということです。
ある人にとっては効果てきめんで、且つ、副作用もない、という「お墨付き」とされている日焼け止めが、ある人にとっては肌荒れや炎症を招く日焼け止めになる、ということが往々にしてよく起こるのが日焼け止めです。

ですから、肌が決して強い赤ちゃんに関する話においては、「これを使っておけば間違いない」というような日焼け止めを提示することは、より慎重に避けなければならないと私は考えています。
「これを使っておけば間違いない」はないものの、「赤ちゃんに対してこれはなるべく使わないほうがよい」という日焼け止めを言うことだけは可能です。

「赤ちゃんに対してなるべく使わないほうがよい日焼け止め」は、「日焼け止めスプレー」に他なりません。海外では、赤ちゃんに対する日焼け止めスプレーの利用を推奨しないというコンシューマー・レポートも出ていますから、これはあながち私だけの私感でもありません。
肌への刺激や成分的な問題以上に、「スプレー」の性質を考えると話がわかりやすいのではないかと思います。赤ちゃんに限らず、「スプレー」というのは「散布されたものを吸い込んでしまう可能性」が極めて高いものです。

利用者が大人で、ある程度気をつけていたとしても、スプレーが散布したものを誤って吸い込んでしまうことがあるのですから、「呼吸」が大人よりも無防備な赤ちゃんは、日焼け止めスプレーの「吸引のリスク」が大人よりも遥かに大きいと言えます。

「日焼け」という「表面」を防止するために、赤ちゃんの「内部」を破壊するのは、本末転倒でしかありません。日焼け止めスプレーの中には、敏感肌向けの成分で構成された比較的安全な日焼け止めスプレーもありますが、それはあくまで「肌」に塗布する上で「安全」であるとされているだけで、それを吸い込んだ場合のリスクなどについては検討されていないと考えたほうがよいでしょう。

赤ちゃんに日焼け止めをしなければならないというときは、ジェル、クリーム、パウダーのなかから選び、日焼け止めスプレーは避けましょう。そのうえで、赤ちゃんの肌質との相性や、使用するシーンにあわせて日焼け止めを使い分けていけば、赤ちゃんの日焼け対策は、多少ではありますが、「リスク」が軽減されるはずです。

なお、赤ちゃんではなく、親が日焼け止めスプレーを利用する場合も、近くに赤ちゃんがいない環境においてのみ利用する必要があるでしょう。
煙草の副流煙などと同じで、スプレーというものは利用者以外の人間が吸い込む可能性があるものです。ですから、赤ちゃんがいる環境で親が日焼け止めスプレーを使った場合、知らず知らずのうちに赤ちゃんが日焼け止めスプレーの成分を吸引し、その「内部」を破壊されることへと繋がります。

赤ちゃんに限った話ではなく、そもそも、人が密集している場所で日焼け止めスプレーを使うこと自体が問題ではあるのですが、自分の赤ちゃんだけでなく他人の赤ちゃんが近くにいるときは日焼け止めスプレーの利用は避けたほうがよいでしょう。

メンズのアンチエイジングと日焼け止め

メンズに広がる美白とエイジングのための日焼け止め

日本の空前の美白ブームの影響は、メンズの肌の上にまで波及しているといってよいでしょう。
もちろん、こんがりと焼けた小麦色の肌に対する支持がまったくのゼロになったというわけではありません。
ですが、現在、「美白」であるということは、男性の外見的な魅力をはかるための一つの基準として、「清潔感」という基準と手を取り合いながら、「日焼けした肌」以上のものになっていることは、もはや疑うことができません。

女性から見て好感が持てるというばかりでなく、当事者の男性たちからも「美白」の支持がいよいよ強まってきている、という流れさえもあるのが現状といえるのではないかと思います。
同時に、メンズたちのアンチエイジングの波も無視することができません。三十代以降の男性になってきますと、それまでは考慮にいれていなかった「かっこよく老ける」ということが、突然、人生の大きな問題として眼の前に立ちはだかってくることにもなります。

もちろん、アンチエイジングのアンチといいますか、生老病死を自然のままに受け入れて、「老けること」を人間本来のあり方として逆らわずに受け入れていく、というような生き方も一方にはあります。ですが、そこまで「老化」に対して割り切った態度をとるためには、ある種の仙人的ともいえる達観した精神が必要とされるかもしれません。

男性が老化を実感する要素は、身体の内側外側問わず数多くありますが、とりわけ「肌の表面」にあらわれる、かつてはなかった「シミ」「シワ」「たるみ」「くすみ」といった諸要素は、「目に見える老化」としてメンズたちに脅威を与えることになるでしょう。
また、何よりも無視できないのは、言うまでもありませんが「毛髪」の問題です。

「肌」の老化が三十代以降に急に注目されるのと違って、「毛髪の後退」は、おそらくは、「メンズ」というよりは「ボーイ」「キッズ」とでも言ったほうがいいのではないか、と思われるような十代の段階から、男性たちに襲いかかるかもしれない不安な未来としてつねに意識されつづけてきた問題であるのではないかと思います。
これらの、シミ、シワ、たるみ、くすみ、薄毛などの「可視化された老化」の原因の一つに、どうやら「紫外線」があるらしい、ということはメンズの間でもいよいよ広く知られるようになってきました。

「日焼け止め」「日焼け止めスプレー」というものが、女性だけでなく、メンズ美容の領域でも注目を集めることになった背景はおおよそこのようなものであるといえるでしょう。

メンズ美容は内側から整えないとあまり効果がない

男性であろうと女性であろうと、「日焼け止め」を用いた紫外線対策の根本的な部分は同じです。
「日焼け止め」だけを使った紫外線対策には限界があるということ。および、「日焼け止めスプレー」は、スプレータイプ以外の「日焼け止め」に比べて、効果が弱く、持続時間も短く、耐水性もないということは、メンズが紫外線対策をする上でも基礎として知っておかなければならないことでしょう。
シミ、シワ、たるみ、くすみ、薄毛といった「老化」の諸症状の原因を、すべて「紫外線」になすりつけるのは考えものです。

「日焼け止め」は、あくまで、「老化」の侵攻を食い止める対策の一つでしかなく、「老化」の根本的な解決に繋がるものではありません。
たとえば、メンズ美容に取り組む男性が、タバコやアルコールを嗜む人間であった場合、タバコやアルコールなどによって身体の内部に受けるダメージのほうが、紫外線以上に「老化」をはやめることになるでしょう。

また、二十代に運動不足であったり食生活の乱れなどがあった場合、その生活習慣のまま年齢を重ねていくことで、三十代以降は、日焼け止め以前の問題として、身体はどんどん老化していく傾向にあります。
「日焼け止めスプレー」のような、他の日焼け止めに比べて効果が薄い日焼け止めを利用する場合、「紫外線以外」で考えうる「老化」の原因への対策がしっかり行われていない場合、その効果はきわめて薄い、ほとんどあってないようなものにしかならないと私は考えています。

日焼け止めなどを使って紫外線対策をするためには、「紫外線対策がほどこせる身体」という土台をまずは整えなければなりません。その土台が整っているのであれば、日焼け止めスプレーのような紫外線対策も、そのときはじめて、ある程度は有効になってくるでしょう。
メンズの間で日焼け止めスプレーが注目される場合、おそらくは、「髪の毛」の上の利用において、他の日焼け止めに比べて日焼け止めスプレーにアドバンテージがある、という部分が注目されるのではないかと思います。

日焼け止めスプレーが、髪の毛の日焼け、紫外線からのダメージをある程度防いでくれるということはあるでしょう。薄毛を気にする男性にとって、日焼け止めスプレーが強い味方に感じられるということも大いにありうると思われます。
しかし、日焼け止めスプレーだけでする紫外線対策には限界があります。日焼け止めスプレーの過信はなるべく避けたほうがよいかもしれません。

複雑に絡み合った「老化」の原因を一つ一つ検証していき、生活習慣の改善や対策などをしっかり行った上でメンズ美容を施していく、という基本姿勢を忘れない限りにおいて、日焼け止めスプレーは男性の紫外線対策をわずかに補助してくれるアイテムになることでしょう。

日焼け止めスプレーは国際線の基準をおさえておくとよい

国際基準と国外に出る際の日焼けスプレー持ち込み注意点

海外などに渡航するにあたって日焼け止めスプレーが機内持ち込みの荷物のなかにある場合、保安検査場を通るための適切な処置をとらなければなりません。
旅行慣れしてしまえば呼吸をするように荷造りを進めることができるようになりますが、あまり旅行に慣れていない人にとって、日焼け止めスプレーの持ち込みはどうしたらよいのか、いまひとつその基準がわからないのではないかと思われます。

保安検査場で日焼け止めスプレーが航空法の規定にひっかかってしまった場合、日焼け止めスプレーはその場で没収されてしまいます。
持ち込もうとしていたのが激安の日焼け止めスプレーでしたら没収されてもそれほどの未練もないでしょうが、それが、たとえば、一本のお値段が贅沢なランチ一食分程度かそれ以上の価格帯の日焼け止めスプレーであった場合は、地味にお財布にダメージがある損失となりかねません。楽しみにしていた旅への期待もこの些細なことでくじかれることになるでしょう。

もちろん、保安検査場で没収された私物を自宅へと郵送する手続き、チェックインカウンターで保管してもらうという方法、あるいは、手荷物を没収されるくらいなら搭乗それ自体を拒否するという強硬な最終手段などもあるのですが、たかだか日焼け止めスプレーの没収くらいでこんな大騒ぎをするのはちょっと考えものです。

自分の場合はスプレー類を極力機内へと持っていかない方向で荷造りをするように心掛けておりますから、日焼け止めスプレーというものはそもそも荷造りの段階で選択肢から消えていくわけですが、それはさておき、やむを得ない事情でスプレー類を機内持ち込み荷物のなかに入れなければならない、どうしてもスプレーを機内に持っていきたい、というときは、なるべく国際線の基準に則った対策をしっかりとるようにしています。

国内線と国際線ではスプレー類に関する持ち込みの基準に多少の違いがあるのですが、あらかじめ、国際線の基準で手荷物を計算するようにすると、国内線でスプレーを持っていく場合も保安検査場をすんなりと通るのでかなり楽です。

また、国際線の基準でもっていける程度の量のスプレーがあれば、国内線の旅行でもたいてい乗り切ることができるという実感もあります。保安検査場という制限や抑圧は、不要な手荷物をギリギリまで減らすことができる好機なのだ、くらいに考えておくといくらかストレスも少ないのではないかと思います。

もちろん、乗り継ぎの空港などによっては、国際線の基準を満たしているにもかかわらずスプレー類が没収されるということがあります。そのときは、その乗り継ぎの空港のルールに従い、涙を飲んで潔く諦めるようにしましょう。
よほどの僻地でもない限り、ドラッグストアなどはどこにでもありますから、渡航先で日焼け止めを購入するのもいいでしょう。

自分に合っている数値などを記憶しておけば、海外製の単語が読めない商品であっても、数字だけである程度自分にあったものを見つけ出すことができるはずです。
もしかしたら、持ち帰りたくなるような海外製の日焼け止めスプレーと出会ったものの、国内に持ち帰るための機内には持ち込めない、というようなジレンマも発生するかもしれませんね。

国際線におけるスプレー類の機内持ち込みの基準

さて、早速、国際線におけるスプレー類の基準を簡単に見ていくことにしましょう。
機内持ち込み、荷物お預けの両方が禁じられているスプレーという項目がありますが、これらの「絶対に禁止」のスプレー類のなかに、日焼け止めスプレーは含まれていません。

ですから、機内に持込可能な日焼け止めスプレーの基準を知るためには、「機内に持ち込みができるスプレー類」の基準をおおまかに把握しておけば充分です。
ちなみに「お預け」の荷物として日焼け止めスプレーをスーツケースの中などに入れてしまえば、「化粧品にあたる肌につけるスプレー」「お預け」となりますので、機内に持ち込むより楽です。日焼け止めスプレーの容量が500ml以下であることと、他のスプレーとの合計容量が2Lを超えないことを目安にして荷造りをしましょう。

国際線において、機内持ち込みが可能なスプレーの容量は「100ml未満」が基準となります。「日焼け止めスプレー以外のスプレー」のことを度外視すれば、「お預け」の際に持っていくことが可能な日焼け止めスプレーの五分の一程度の容量になりますね。
日焼け止めスプレーは「液体物」の扱いになります。他の「液体物」であれば、別の容器に移し替えることによって「100ml未満」に調整することが可能ですが、日焼け止めスプレーはスプレーですから、容器に移し替えることができません。ですから、あらかじめ「100ml未満」の容量の日焼け止めスプレーを確保しておきましょう。

「100ml未満」の日焼け止めスプレーを確保しただけで、機内持ち込みの準備が完了するわけではありません。「100ml未満」の日焼け止めスプレーは、「液体物」をまとめる袋のなかに入れて、他の「液体物」と一緒に機内へと持ち込む必要があります。
「液体物」を入れる袋の基準は、「縦と横の合計が40cm以内であること」「容量の合計が1L以内であること」「ジッパーで開封ができる透明なプラスチック袋であること」の三つになりますから、縦横20センチ以内のジップロックなどを用意するといいでしょう。「液体物」のための袋は、空港に用意されている場合もありますから、忘れてもなんとかなります。

基準にのっとった袋に「100ml未満」の日焼け止めスプレーを入れ、他の「液体物」との合計が「1L以内」でおさまりましたら、機内持ち込みのミッションは完了です。晴れて、機内に持ち込んだ日焼け止めスプレーとともに現地への到着を待つのみという身になるわけです。
ここで、根本的な、身も蓋もないことを最後に言っておきたいのですが、よほどの事情がない限り、機内での日焼け止めスプレーの使用は控えましょう。

飛行機の機内のような人が密集した密室空間における日焼け止めスプレーの使用は、他の乗客への迷惑にしかなりません。無事に持ち込めたからといって日焼け止めスプレーをここぞとばかりにやたらと使うのは考えものです。
日焼け止めスプレーをどうしても機内で使いたい、というときは、機内トイレなどの「周りに誰もいない状況」でのみ使うことを推奨します。

日焼け止めスプレーの携行は夏フェスの最後の用心

夏フェスに携帯するには便利な日焼け止めスプレー

日焼け止めスプレーというのは、「髪の毛や頭皮の日焼け止め」「他の日焼け止めとの併用」などによってある程度有効ではあるのですが、「日焼け止めスプレーのみで日焼けを止めよう」とするとやや頼りない日焼け止めであると言わざるをえません。
日焼け止めスプレーの弱点のうちの一つは、その日焼け止め効果の「持続時間」が、他の、クリーム、ジェル、パウダータイプの日焼け止めに比べるとどうしても短いということです。

日焼け止めスプレーの最大の利点は、なんといっても「手軽である」ということでしょう。しかし、その「手軽さ」は、「効果」の薄さでもあるわけです。日焼け止めの効果が続きにくい日焼け止めスプレーは、この「持続時間」の短さから、どうしても「こまめな噴霧」を必要とされる日焼け止めです。

では、そのような性質を持つ日焼け止めスプレーは、「髪の毛」「頭皮」の日焼け以外にはまったく役に立たないのか、というと、決してそうではありません。日焼け止めスプレーも、使う場所やシチュエーションによっては、他の、クリーム、ジェル、パウダータイプの日焼け止めに負けず劣らずの有能な効果を「肌」のうえに発揮します。

もちろん、その効果を発揮させるためにも、「併用」は忘れてはなりません。クリーム、ジェル、パウダーなどの日焼け止めによる「丹念に塗り込まれた下地」はどうしても必要なのですが、その「下地」という前提を踏まえた上で、日焼け止めスプレーという「手軽」な日焼け止めが大いに役に立つ場面というのが確かにあります。

それは、夏フェスや野外イベントです。夏フェスや野外イベントという場所において、日焼け止めスプレーという頼りない日焼け止めは、炎天下のもとで音楽やステージなどは楽しみたいが日焼けは避けたいというすべての人達の強い味方となってくれるでしょう。
夏フェスや野外イベントにおける強烈な日差しの恐ろしさや、その環境の劣悪さ、不便さなどを考慮すると、夏フェスや野外イベントがその人にとって素敵な思い出になるかどうかは日焼け止めスプレーによって左右されるのだ、などといったとしても、決して過言ではないのかもしれません。

日焼けスプレーというものをあまり重用していない自分でも、夏フェスや野外イベントに行く際は、懐中にドスを仕込むようにして日焼け止めスプレーを携行するようにしているほどです。もちろん、あらゆる日焼け対策をすべて施した上で、最後の用心として、ではありますが。

夏フェスでの日焼け止めスプレーの効果的な使い方

夏フェス、野外イベントという環境は、炎天下であるということ以上に、「会場が非常に不便である」ということを念頭においておかなければなりません。ある意味では、その「不便さ」を楽しむことにこそ夏フェスや野外イベントの「醍醐味」があるともいえます。
この、夏フェスや野外イベントにつきものの「不便さ」は、日焼け止めの利用にも影響するものであるということは、参加前に知っておく必要があるかもしれません。

「肌の露出を極力おさえる服装」というような、日常では有効な日焼け対策も、長時間、暑い環境に身を置くことを余儀なくされる夏フェスや野外イベントのような状況下では限界があります。紫外線をこらえるよりも先に、その暑さに耐えられなくなるでしょう。
「日傘」なども、ステージの前などでさしていては邪魔ですから使うことができません。帽子やタオルで頭を覆うくらいの対策が関の山です。夏フェスや野外イベントにおいては「肌が日差しを直接浴びること」が絶対に避けられない時間が確実にあります。それも、かなりの長時間にわたって。

ですから、夏フェスや野外イベントに参加するにあたって、会場に向かう前の、肌の露出部分への日焼け止めの塗布は必須です。
その際、ベースとなる日焼け止めとして、「持続時間」が短い日焼け止めスプレーを使うことはオススメしません。ジェル、クリーム、パウダー系の、自分の肌質にあった日焼け止めの、比較的効果が長続きする日焼け止めを使用しましょう。

日焼け止めスプレーは、「ベースとなる日焼け止め」の効果が薄れてきたときの「応急処置」のための日焼け止めとして持っていくことになるでしょう。特に、女性であれば、メイクの上からでも使える日焼け止めスプレーなどが、有事の際に重宝するかと思われます。
夏フェスや野外イベントにおいて、日焼け止めは、二~三時間に一回ほど塗り直すのが良いとされています。ですが、夏フェスなどの環境においては、「塗り直す」ための余裕がないという状況も多々あります。

そんなときに、「持続時間」は短いものの、「手軽」「メイクの上から」でも利用できる日焼け止めスプレーの出番が到来するというわけです。
しかし、いくら「手軽」であるとはいっても、日焼け止めスプレーは、まわりに人がいないことを確認した上で使用しましょう。
夏フェスや野外イベントは人が密集しやすい環境ですから、日焼け止めスプレーで日焼けの応急処置を施す場合は、人混みから離れて、誰もいないところでさっと日焼け止めを済まし、また人混みの中に戻るなどの配慮が求められます。

日焼け止めスプレーによる日焼け止めは、やや「焼け石に水」といったところもあるのですが、何も施さないよりはマシです。ゆっくりと化粧直しや日焼け止めの塗り直しができる時間や場所の確保をするまでは、日焼け止めスプレーをこまめに噴霧し、その場をしのいでいくのが夏フェスや野外イベントを楽しむためのちょっとしたテクニックとなるでしょう。